知能検査ではどのようなことを行い、何をみるのでしょうか。
日本での知能検査は、ウェクスラー式検査が用いられることがほとんどです。 ウェクスラー式の検査はCHC理論というものに準拠しています。CHC理論では、知能というものをいくつかの要素にわけてとらえます。たとえば、知識そのものや推理力、視覚処理や読み書きの力、記憶の力などです。ウェクスラー式の検査ではそれらをみる課題を実施することで、言葉を理解する力、ものごとのとらえかた、記憶力、課題をこなすスピードなどをみます。同じくらいの年齢の人と比べるとどれくらいなの水準なのかをみることができます。とはいえ、先ほども述べましたように、知能のすべてを把握できるわけではありません。検査の結果がその人の全てではありません。
知能にはいろいろな側面があります。IQが高くなくとも、素晴らしい才能を発揮する方は大勢いらっしゃいます。それは人がつくる検査の限界です。ウェクスラー検査では、CHC理論に基づき、知能を要素にわけてみていくわけですが、創造性や運動能力、感情調整の力などはみることができません。また、知的障害や、発達障害、学習障害を診断できるものでもありません。
ただ、困っていること、どうしてもうまくいかないことなどがある時、たとえば、いろいろ工夫しても忘れ物が減らない、漢字を覚えられない、気が散りやすい、段取りが非常に苦手、何か人と違ったところがあるように感じる、みんなが楽にできているところが自分にはとても難しいなど、それらについての理解や対策を考えるヒントは多く導きだされます。当オフィスの検査結果の報告では、日頃の様子をうかがいながら、有効な手立てを見つけていきます。それがこの検査の大切なところだと考えています。
この検査の所要時間は1時間から2時間程度です。ちょっと疲れてしまうかもしれません。けれども、お子さんは「楽しかった」と言ってくれます。大人の方は、ご自身の理解につながり、「合点がいく」「腑に落ちた」ととらえられる方も多いです。
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